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全国若手議員の会DX部会研修― 「DXはシステムではなく、考え方を変えること」
先日、全国若手議員の会DX部会の研修に参加するため福岡市を訪れました。
ちなみに私が部会長を務める政調の研修は4月に仙台で実施しました。
30代で当選した45歳までの議員の会であり、仙台では自民党の佐藤正昭議員が第4代全国会長、前衆議院議員、立憲民主党岡本あき子さんは元東北の会長、全国の副会長など仙台でも党派を超えて若手議員が切磋琢磨している会です。
「一人の困りごと」から始めるDX
100万人都市だからといって、最初から100万人全員に影響する壮大な事業を考えるのではありません。
例えば、
燃えないごみの日を忘れてしまう
粗大ごみの申し込みが面倒
屋台が営業しているか分からない
こうした日常の小さな困りごとを一つずつ解決していく。
その積み重ねが、多くの市民に利用されるサービスへ育っていくという考え方でした。
この発想は、行政にも非常に重要だと感じました。
〇スモールスタート・クイックウィンという考え方
特に参考になったのは、「スモールスタート・クイックウィン」という考え方です。
最初から全市展開を目指すのではなく、小さく始め、利用者の反応を見ながら改善し、徐々に広げていく。
100万人へのインパクトだけを考える
壮大な計画を立てる
システム開発そのものがゴールになる
というものでした。
デジタル分野は技術の進歩が非常に速く、完成を待っていては社会の変化に追いつけません。
だからこそ、まずは始めてみる。そして利用者の声を聞きながら育てていく。
行政にとっても非常に参考になる考え方でした。
〇「縦割り」ではなく、市民から見た行政サービスへ
福岡市では、LINEが単なる情報発信ツールではなく、市民と行政をつなぐ「入口」として機能していました。
粗大ごみの申込み、防災、ごみの日のお知らせ、市民通報など、生活に関わる様々なサービスが一つのプラットフォームに集約されています。
一方で仙台市では、それぞれのサービスが担当部署ごとに異なるシステムで運用されており、市民から見ると「どこから手続きを始めればよいのか」が分かりにくい場面も少なくありません。
もちろん、それぞれ事情があり、一朝一夕に解決できる問題ではありません。しかし、市民にとって重要なのは担当部署ではなく、「便利かどうか」です。
今回の研修を通じて、市民目線で行政サービス全体を設計するという視点の重要性を改めて感じました。
〇反対の少ないところから始め、実績を積み重ねる
LINEヤフーコミュニケーションズのお話で印象的だったのは、「誰ともけんかしないところから始める」という考え方でした。例えば、市政だよりをすべてLINEへ置き換えようとすれば、多くの関係者との調整が必要になり、大きな反対も想定されます。しかし、ごみ情報をオープンデータとして活用し、LINEで通知する仕組みであれば、既存の制度を大きく変えることなく、市民の利便性を高めることができます。小さな成功体験を積み重ねることで、行政も市民もDXへの理解が深まり、次のステップへ進みやすくなる。
この「取り組む順番」の考え方には、大変感銘を受けました。
行政は時として、最初から完璧な制度を目指そうとするあまり、議論や調整に多くの時間を費やしてしまいます。しかし、まずは多くの市民が恩恵を受けられる施策から着実に進め、実績を積み重ねることも、行政運営において重要なアプローチではないかと感じています。
〇学びを仙台市政へ
今回の研修を通じて学んだことは、「DXはシステムを導入することではない」ということです。
市民一人ひとりの困りごとに目を向け、小さく始め、改善を重ねながら育てていく。
そして、縦割りではなく、市民にとって分かりやすいサービスを提供する。
この考え方はDXに限らず、これからの行政全体に求められる姿勢だと感じました。どの講演も非常に示唆に富む内容でしたが、私が最も印象に残ったのは、「DXとはシステムを導入することではなく、市民の課題を解決するための考え方そのものを変えること」という共通した考えでした。
制度は「つくる」と「育てる」が大切
児童クラブ昼食配送事業から考える政策づくり
先日の議会では、長期休業中の児童クラブ昼食配送事業についても質問しました。
夏休み期間中、保護者の皆さんにとって毎朝のお弁当づくりは大きな負担です。特に近年の猛暑では、朝作ったお弁当を冷蔵設備のない環境で保管することへの不安もあり、昼食配送を望む声は以前から多く寄せられていました。
こうした声を受け、市議会でも多くの議員が必要性を議論し、仙台市ではモデル事業として昼食配送がスタートしました。
私は、この事業が始まったこと自体を大きな前進として評価していました。しかし、本当に重要なのはここからです。
制度は始まってからが本当のスタート
モデル事業が始まった当初、実施できたのは全体の3割程度の児童クラブでした。
制度が始まったとはいえ、「利用したくても利用できない」という状況が残っていたのです。
そこで私は、「どうすれば全館実施に近づけるのか」という視点で、一般質問や予算等審査特別委員会などを通じて継続して取り上げ、現場の声を踏まえながら改善を提案してきました。
例えば、配送事業者からは「配送開始時間を30分程度早めることができれば、より多くの児童クラブへ配送できる」という声がありました。
また、地域の飲食店が近くの児童クラブへ配送する仕組みができれば、配送効率だけでなく地域経済の活性化にもつながるのではないかという提案も行いました。
制度は一度つくって終わりではありません。
実際に運用して初めて見えてくる課題を一つずつ改善していくことで、制度はより良いものへと育っていきます。
積み重ねが98館へ
今年の議会では、夏休み期間中に98館で昼食配送が実施される見込みであることが示されました。
事業開始当初を思えば、大きな前進です。
ここまで事業が拡大した背景には、担当課が配送事業者や児童クラブの声を丁寧に聞きながら、制度の改善を積み重ねてきたことがあります。何に困っているか、どうしたらもっと進むのかという視点で私なりに声を集め議論もしましたが、熱意を持った当局担当者も現場を回り話を聞いてもらったと事業者側からも話を伺いました。
議会での議論だけでは制度は前に進みません。現場で汗をかき、課題を一つひとつ解決してきた担当課の努力に、改めて敬意を表したいと思います。
全館実施まであと一歩です。
だからこそ、ここで歩みを止めることなく、残る児童クラブでも利用できる環境を整えていくことが重要だと考えています。
制度を育てることも議員の役割
議員の仕事というと、新しい制度を提案することを思い浮かべる方も多いかもしれません。
もちろん、それも大切な役割です。
しかし私は、それと同じくらい重要なのが、「始まった制度を育てること」だと考えています。
制度が始まった後も現場の声を聞き、課題を検証し、改善を積み重ねる。その積み重ねによって、より多くの市民に利用される制度へと成長していきます。
児童クラブ昼食配送事業は、まさにその積み重ねによってここまで広がってきました。
保護者の負担軽減と子どもたちの安心・安全のためにも、全館実施の実現まで、引き続きしっかりと見届けてまいります。
地元企業への優先発注は、人口減少時代の産業政策
~公共調達を地域の未来につなげるために~
先日の仙台市議会一般質問では、クマ対策と同時に「地元企業への優先発注」についても取り上げました。
「公共調達」や「プロポーザル」という言葉は、市民の皆さんにはあまり馴染みがないかもしれません。しかし、市役所が毎年発注している様々な業務やサービスには、市民の皆さんからお預かりした税金が使われています。
私は、「誰に仕事を発注するのか」という視点は、単なる契約手続きの話ではなく、仙台市の将来を左右する重要な産業政策の一つだと考えています。
近年、仙台市では人口流出が続いています。子育て支援や住みやすいまちづくりを進めることはもちろん重要ですが、それだけで人口流出を止めることはできません。
若い世代が「仙台で働きたい」「この会社で挑戦したい」と思える環境をつくることも、人口減少対策には欠かせない視点です。
そのためには、地域企業が成長し、新たな雇用を生み出し、魅力ある企業へと発展していくことが必要です。
行政が行う公共調達は、市民サービスを提供するための制度であることはもちろんですが、地域企業の成長を後押しし、地域経済を活性化させる役割も担っていると思っています。
私は、この公共調達を「地域への投資」という視点でも考えるべきではないかという思いから、今回の議会で取り上げました。
地元企業への優先発注は「優遇」ではなく「成長支援」
私がこれまで議会で繰り返し提案してきた「地元企業への優先発注」について、「地元企業を優遇するということですか」と質問を受けることがあります。
しかし、私が目指しているのは、そのような制度ではありません。
公共調達において最も重要なのは、公平性と競争性を確保することです。その前提はこれからも変わるべきではありません。
一方で、現在の制度では、実績を重視するあまり、新たな企業が行政の仕事へ挑戦する機会が限られてしまうケースもあります。
行政の仕事を受注し、経験や実績を積み重ねることによって、地域企業はさらに技術力を高め、新たな雇用を生み出し、やがては仙台だけではなく全国で活躍できる企業へ成長していく。そのような環境を整えることも、自治体の重要な役割ではないでしょうか。
こうした考えから、私はこれまで議会で地元企業加点制度の導入を求めてきました。
その結果、本年1月から仙台市では、プロポーザル方式において地元企業を評価する「地元企業加点制度」が導入されました。
これは、地域企業の成長を後押しするための第一歩として、大きな前進であると評価しています。
制度は前進した。しかし、まだ改善できる
一方で、制度は導入して終わりではありません。
今回の議会では、その運用についても議論しました。
現在、多くのプロポーザルでは「政令指定都市での実績」や「一定規模以上の自治体での実績」が評価項目となっています。
もちろん、履行能力を確認するために実績を評価することは重要です。
しかし、その基準だけでは、「実績がないから受注できない」「受注できないから実績が積めない」という状況に陥り、新しい企業が挑戦する機会を失ってしまう可能性があります。
例えば近隣自治体との仕事の実績と、大都市との実績ではこの部分の評価に開きが出てしまい、内容の良いところへの加点があったとしても、実績部分で差が広がってしまう可能性があります。
そこで私は、近隣自治体での実績や民間での類似業務の実績なども含め、より柔軟な評価のあり方を検討すべきではないかと質問しました。
市からも、地元企業加点制度は導入して終わりではなく、運用状況を検証しながら改善を進めていく考えが示されました。
公共調達は、地域への投資
今回の議会では、物価高騰や人件費の上昇についても取り上げました。
特にサービスを提供する業務では、人件費が大きな割合を占めています。価格だけを重視した発注では、人材確保や賃金の引上げが難しくなり、結果として市民サービスの質にも影響しかねません。
地域企業が成長し、そこで働く人の所得が増え、その所得が地域で消費される。さらに企業が設備投資や人材育成を行い、新たな雇用が生まれる。
そうした地域内経済循環を生み出すことは、人口流出に歯止めをかけることにもつながります。
私は、公共調達は単なる「契約」ではなく、「地域への投資」であり、「人口減少時代の産業政策」でもあると考えています。
これからも公平性と競争性を大切にしながら、地域企業が挑戦し、成長できる環境づくりに向けて議論を続けてまいります。
国民民主党宮城県連定期大会を開催しました
時間がたってしまいましたが、6月21日、宮城県連として初めての県連大会を開催いたしました。
大会には古川元久代表代行をはじめ、多くの皆様にご出席いただき、今後の活動方針や組織体制について確認するとともに、来年の統一地方選挙を見据えた新たなスタートとなる大会となりました。
私は県連幹事長として議案の提案を行い、今年度は「県連の活動を見える形にする一年」と位置付け、毎月県連行事を開催していく方針をお示ししました。
まず8月23日にはタウンミーティングを開催し、その後も9月にはポスティング大会と街頭演説会、10月には芋煮会を予定しています。政策を発信するだけでなく、党員・サポーターの皆様が参加しやすく、交流できる機会を増やしながら、「顔の見える県連」を目指してまいります。
また、このたび舟山康江参議院議員が宮城県連顧問に就任しました。東北全体を見据えた視点からご助言をいただきながら、宮城県連としてもさらに活動を充実させていきたいと考えています。
大会終了後には、参加者の皆様とのタウンミーティングも開催しました。
話題提供として、浅野哲県連代表からはホルムズ海峡情勢や物価高騰への対応について、私は仙台市議会で取り上げたクマ対策をテーマに、市と県の役割分担や、夜間の緊急銃猟に必要な資格制度などについてお話ししました。
参加者の皆様からも、県連への期待や「一緒に活動していきたい」という大変心強いご意見を数多くいただきました。こうした声を直接伺うことができたことは、私たちにとって大きな励みとなりました。
宮城県連は、まだ歩み始めたばかりの若い組織です。しかしだからこそ、党員・サポーターの皆様とともに一つひとつ活動を積み重ね、宮城らしい県連をつくっていきたいと考えています。
今後の各種行事にもぜひお気軽にご参加ください。多くの皆様と直接お話しできることを楽しみにしています。
市街地でも増えるクマ出没 議会で議論した仙台市のクマ対策
先日の仙台市議会一般質問、クマ対策について取り上げました。
近年、クマは山間部だけでなく住宅地や学校周辺でも目撃されるようになり、市民生活に直結する課題となっています。
私自身、この問題は以前から関心を持っており、今年4月頃から一般質問のテーマとして準備を進めていました。全国的に人身被害が増加していることに加え、「今年の秋はさらに出没が増えるのではないか」と考え、関係する制度や研究論文を読み込みながら、市役所へのヒアリングや、現場を知る方々からも話を伺い、質問内容を組み立ててきました。
ところが、その準備を進めていた矢先の5月、地元・桜ケ丘の小学校でクマの出没が疑われる事案が発生しました。
秋を待たずに、住宅地に隣接する学校でこうした事案が起きたことに、正直驚きを感じました。「もう山の問題ではない」という思いを強くし、この議会でしっかり議論しなければならないと改めて決意しました。
〇市だけでは解決できない制度になっている
クマが市街地に現れると、多くの方は「仙台市が対応するもの」と考えるのではないでしょうか。
しかし、実際にはクマ対策は市だけで完結できる制度にはなっていません。
例えば、市街地で迅速な捕獲につながる箱わなの設置許可は宮城県の権限です。一方、緊急時の銃猟許可は仙台市が担っています。
市民から見れば同じ「クマ対策」ですが、制度上は権限が分かれているため、迅速な対応を行う上で課題があることが分かりました。
そこで議会では、市民に最も近い基礎自治体である仙台市が、より機動的に対応できる体制が必要ではないかと質問しました。
これに対し市からは、県から市への権限移譲について現在議論が進んでおり、今後具体的な協議や準備を進めていくとの答弁がありました。
すぐに制度が変わるわけではありませんが、市民の安全確保のためには大きな一歩になるものと考えています。
〇学校の安全対策
今回の質問では、学校の安全対策についても議論しました。
桜ケ丘小学校でクマの出没が疑われた際には、夜明け前から先生方が学校周辺の見回りを行いました。しかし、その時点で教育委員会から配備されていた対策用品はクマ鈴やホイッスルが数個程度であり、十分とは言えない状況でした。
これまでクマの出没が想定されていなかった地域でも学校周辺で目撃情報が寄せられるようになった今、学校現場の備えも見直す必要があります。
議会では、全ての学校に対策用品を配備すべきではないかと質問し、当局からは、クマ撃退スプレーなどを各学校で準備できるよう追加の予算配当を行う考えが示されました。
〇情報共有の改善も重要な課題
学校での事案の後も、桜ケ丘地区では夜間にクマの出没が疑われる事案がありました。
この時、私が課題だと感じたのは情報共有です。
翌日には仙台市から公式LINEで情報が発信されましたが、それまでの間に地域では様々な情報が飛び交っていました。
私のもとにも、「近くの私立学校にクマが居座っているらしい」という話が届きました。しかし、その後確認すると、元になっていた情報は夜間に道路上で目撃された可能性があるという内容であり、伝言ゲームのように情報が変化してしまっていました。
もちろん、不確かな情報を発信することには慎重さが求められます。一方で、情報が届かない時間が長くなるほど、憶測や誤った情報が広がり、市民の不安を大きくしてしまうことも事実です。
そこで議会では、「クマの出没が疑われる通報があった」という速報をまず発信し、その後、事実確認の状況に応じて内容を更新していく二段階の情報発信について提案しました。
私は、迅速な情報発信と正確な情報発信は二者択一ではなく、工夫次第で両立できると考えています。
〇科学的データに基づく対策へ
今回の質問を準備する中で、多くの研究論文にも目を通しました。
その中でも特に印象的だったのが、仙台市科学館研究報告に掲載された、市内のクマ目撃情報を分析した研究です。
2012年から2025年までのデータを分析した結果、市内の目撃件数は年平均約8%増加し、分布も平野部へ広がっていることが示されていました。
さらに、従来から言われてきた「ブナやミズナラなど堅果類の豊凶だけでは近年の出没傾向は十分説明できない可能性」が示されていました。
これは政策を考える上でも非常に重要な知見です。
もし出没の背景が構造的に変化しているのであれば、「今年は木の実が不作だから」という従来の考え方だけでは十分ではありません。
科学的なデータを積み重ねながら、都市部におけるクマ対策そのものを見直していく必要があります。
〇捕獲体制の強化も必要
今回の質問では、捕獲体制についても取り上げました。
市街地で夜間にクマが出没した場合には、通常の狩猟免許とは別に夜間緊急銃猟に対応する資格が必要になります。しかし現在、仙台市にはこの資格を持つ捕獲従事者がおらず、迅速な対応が難しい状況です。
議会では、人材確保や資格取得支援の必要性を訴え、市からは捕獲従事者の報酬改定に加え、夜間緊急銃猟に必要な資格取得への支援を進める考えが示されました。
今回の質問を通じて改めて感じたのは、クマ対策は「クマをどうするか」という話だけではないということです。
市民へ正しい情報をどう届けるのか。
学校で子どもたちをどう守るのか。
現場が迅速に動ける制度になっているのか。
科学的なデータに基づいた対策ができているのか。
こうした一つひとつを積み重ねていくことが、市民の安心につながると考えています。
クマの出没は、今後も続く可能性があります。
だからこそ、その場しのぎではなく、制度や情報共有の仕組みまで含めて改善を進めていくことが重要です。
今回の議会での議論が、その一歩となるよう、引き続き取り組んでまいります。





