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2026-07-06 12:00:00

地元企業への優先発注は、人口減少時代の産業政策

 

 

~公共調達を地域の未来につなげるために~

 

 

先日の仙台市議会一般質問では、クマ対策と同時に「地元企業への優先発注」についても取り上げました。

 

「公共調達」や「プロポーザル」という言葉は、市民の皆さんにはあまり馴染みがないかもしれません。しかし、市役所が毎年発注している様々な業務やサービスには、市民の皆さんからお預かりした税金が使われています。

 

私は、「誰に仕事を発注するのか」という視点は、単なる契約手続きの話ではなく、仙台市の将来を左右する重要な産業政策の一つだと考えています。

 

近年、仙台市では人口流出が続いています。子育て支援や住みやすいまちづくりを進めることはもちろん重要ですが、それだけで人口流出を止めることはできません。

 

若い世代が「仙台で働きたい」「この会社で挑戦したい」と思える環境をつくることも、人口減少対策には欠かせない視点です。

 

そのためには、地域企業が成長し、新たな雇用を生み出し、魅力ある企業へと発展していくことが必要です。

 

行政が行う公共調達は、市民サービスを提供するための制度であることはもちろんですが、地域企業の成長を後押しし、地域経済を活性化させる役割も担っていると思っています。

 

私は、この公共調達を「地域への投資」という視点でも考えるべきではないかという思いから、今回の議会で取り上げました。

 

 

地元企業への優先発注は「優遇」ではなく「成長支援」

 

私がこれまで議会で繰り返し提案してきた「地元企業への優先発注」について、「地元企業を優遇するということですか」と質問を受けることがあります。

 

しかし、私が目指しているのは、そのような制度ではありません。

 

公共調達において最も重要なのは、公平性と競争性を確保することです。その前提はこれからも変わるべきではありません。

 

一方で、現在の制度では、実績を重視するあまり、新たな企業が行政の仕事へ挑戦する機会が限られてしまうケースもあります。

 

行政の仕事を受注し、経験や実績を積み重ねることによって、地域企業はさらに技術力を高め、新たな雇用を生み出し、やがては仙台だけではなく全国で活躍できる企業へ成長していく。そのような環境を整えることも、自治体の重要な役割ではないでしょうか。

 

こうした考えから、私はこれまで議会で地元企業加点制度の導入を求めてきました。

 

その結果、本年1月から仙台市では、プロポーザル方式において地元企業を評価する「地元企業加点制度」が導入されました。

 

これは、地域企業の成長を後押しするための第一歩として、大きな前進であると評価しています。

 

 

制度は前進した。しかし、まだ改善できる

 

一方で、制度は導入して終わりではありません。

 

今回の議会では、その運用についても議論しました。

 

現在、多くのプロポーザルでは「政令指定都市での実績」や「一定規模以上の自治体での実績」が評価項目となっています。

 

もちろん、履行能力を確認するために実績を評価することは重要です。

 

しかし、その基準だけでは、「実績がないから受注できない」「受注できないから実績が積めない」という状況に陥り、新しい企業が挑戦する機会を失ってしまう可能性があります。

 

例えば近隣自治体との仕事の実績と、大都市との実績ではこの部分の評価に開きが出てしまい、内容の良いところへの加点があったとしても、実績部分で差が広がってしまう可能性があります。

 

そこで私は、近隣自治体での実績や民間での類似業務の実績なども含め、より柔軟な評価のあり方を検討すべきではないかと質問しました。

 

市からも、地元企業加点制度は導入して終わりではなく、運用状況を検証しながら改善を進めていく考えが示されました。

 

 

公共調達は、地域への投資

 

今回の議会では、物価高騰や人件費の上昇についても取り上げました。

 

特にサービスを提供する業務では、人件費が大きな割合を占めています。価格だけを重視した発注では、人材確保や賃金の引上げが難しくなり、結果として市民サービスの質にも影響しかねません。

 

地域企業が成長し、そこで働く人の所得が増え、その所得が地域で消費される。さらに企業が設備投資や人材育成を行い、新たな雇用が生まれる。

 

そうした地域内経済循環を生み出すことは、人口流出に歯止めをかけることにもつながります。

 

私は、公共調達は単なる「契約」ではなく、「地域への投資」であり、「人口減少時代の産業政策」でもあると考えています。

 

これからも公平性と競争性を大切にしながら、地域企業が挑戦し、成長できる環境づくりに向けて議論を続けてまいります。